学生生活も終わりをむかえ、この先どんな風に生きていこうと考えていた時、
「日本の文化を伝える人になりたい」
ふとそんな事を思っていた自分を思い出しました。
母に茶道は日本の総合文化だからとすすめられるまま何げに飛び込んだ茶の道。
抹茶も喫んだことがなかった私がここまではまってしまったのには、やはり、茶道が日本の文化への入口をたくさん持っている世界だと分かったから。
しかし、おぼろげながら茶の湯の全体像が見えた時、
よく茶道は奥深いっていうけど本当だった‥としみじみ思ったのも事実です。
そこでやめなかったのはたんに好奇心いっぱいの私の性格に合っていたからか、その奥深さに面白さを感じてしまいました。
今ではお茶を入口に他の日本文化のドアを開けては覗いたりかじったりしております。
特に今、情熱をそそいでいるのは歌舞伎。
好きが高じて日本舞踊も習い、昨年衣裳をまとっての念願の初舞台を踏ませていただきました。
以前、歌舞伎「助六」をテーマにやらせていただいた茶会を発展させ、いずれは「茶かぶき」なる馴れ親しんだ茶会より角度を変えた、お茶をやられていないお客様にも楽しんでいただける趣向を凝らしたおもてなし茶会を創作していきたいと思っております。
「お茶って堅苦しい」という先人達の教えを信じている方、確かにそれは間違いではありません。
でも一度、日本の文化が大好きな私目線でお茶の世界を覗いてみませんか?
堅苦しさの中にある相手を思いやる心、そんな心=気持ちを形にしたものが「型」です。
稽古とは「古を稽(かんが)える」という意味です。
「型」を通して古の教えに触れ、それを実践し、自分がよいと思ったことはどんどん実生活に応用させ、忘れかけている私達が本来持っている心に気付いてほしいと思います。
お茶は他の習い事と違って、一人でできるものではありません。
おもてなしする方の為を思って抹茶一服差し上げる。
本当はこれだけです。
私との時間をきっかけに、その事を知っていただき、四季の移ろいのある美しい日本をもっともっと好きになっていただければ嬉しいです。